日本で初めて世界遺産となった姫路城のおひざ元へ2005年にオープンし、姫路で一早くオーダーメイドケーキを取り入れた「神戸洋菓子工房BIRTHDAY」が2024年4月にメインケースを入れ替え、創業20年目となる新たなスタートを切りました。
神戸洋菓子工房バースディ
住所:姫路市花田町小川830-1 電話:079-252-8401 営業時間:11:00~20:00 定休日:月曜日
数々のコンクールで受賞歴を持つ田中シェフは父親と同じ洋菓子の道を志し、神戸の名店「西洋菓子処フーケ」で修行されました。 神戸では震災も経験し、神戸の復興と共にフーケで人々の優しさとお菓子作りを通して感動と夢を与えることへの素晴らしさを学ばれ、感謝の気持ちを忘れず日々お菓子作りに励んでおられます。 お誕生日は誰もが特別な日であり、世界にひとつだけのお誕生日ケーキをコンセプトとし店名を「バースディ」と名付けられました。
今回はメインショーケースの入替で4段の8尺ケースから「エクストラリビナW-3型2400mm」に一新。 Wクーリングシステムにより、熱交換効率の高い上下2基の冷却器と精密な風力計算で選定された送風ファンによって安定した冷気循環層をつくり、ケース内を均一な低温・高湿度に保ちます。 更にオプション仕様としてお掃除楽々冷却コイルリフトアップ「CLAS」・「プラズマクラスターイオン発生ユニット」を搭載し、きちんとお手入れをする事によって庫内はいつもきれいで清潔な状態に保つことが出来ます。
左半分は棚3段に約20種類のプティガトウ、右半分には8種類のおやつ菓子が魅力的に陳列されています。
おやつ菓子イチ押しの「生まれたてプリン」(@330円)と「ふわり」(@230円)はアクリルステージや小物をうまく使い立体的にディスプレイして商品価値を高め原材料までもアピール。更にオプションとして底板を面発光仕様にすることでお客様の目をひきつけ購買欲を高めています。
お勧めのプティガトウにはプライスカードとは別にポップが添えられ何故このケーキは美味しいのかを説明し素材や作り方もきちんと伝えられています。
洋菓子工房バースディの人気を支え続けてきた爆発的ヒット商品「カブトムシ」(@650円)は2016年にヒョンな事がきっかけとなって誕生しました。 本物そっくりのリアルカブトムシ@350円ヘラクレス@400円で販売したところ姫路経済新聞、Yahoo!ニュースなどに取り上げられ話題となり1か月半で3600個を完売しました。
子供の目線に入る高さに小型モニターを添え、カブトムシの製造過程を映すことで子供心をくすぐります。
カブトムシケーキのお持ち帰りは虫かごをデザインした専用ボックスに入れられ子供たちのテンションも上がります。
カブトムシで一躍有名になったバースディへ近所でカブトムシを育てているおじさんから子供たちにあげて欲しいと200匹のカブトムシが提供されました。 ケーキを買いに来た子供たちに配ると更にカブトムシケーキの反響も加速。近所の歯医者さんからも育てているたくさんのカブトムシを頂きました。 その後田中シェフ自身も自らカブトムシの飼育を始め毎年およそ100匹くらいは準備が出来るように育っているそうです。
ショーケースの天板上に焼き立て上置きケースを乗せ、カヌレやシュー皮を並べられています。
アーモンドバターシューは注文を受けてからアーモンドカスタードクリームが詰められるのでサクサク感が損なわれません。
メインケースの左に配置された縦型アントルメケース1500mm。 天板には大きな2匹のカブトムシも飾られています。
下段の広い空間には2台のアントルメツリーを導入しケーキを立体的に陳列されています。
メインケースの向かいには多段式の平台と壁面棚を配置しパーソナルギフト、焼き菓子やクッキーのバラ売り商品、詰合せギフトが華やかに並べられています。(この日は母の日に向けたディスプレイでした)
菓子職人歴67年である田中シェフのお父さんが焼き上げる昔ながらのブランデーケーキは、今も長年愛され続けているヒット商品だそうです。
その他にも「バターサブレ」「チェスナッツ」「ココアケーキ」「フルーツパウンド」など当時から人気の高い焼き菓子も、お父さんが現役で月に数回お店に焼き上げに来られているそうです。
焼き菓子壁面棚の裏側にはパーテーションを挟んでイートインコーナー「B‘s cafe」とセルフ珈琲マシンが用意され、購入したケーキをドリンクと一緒にお召し上がりいただけます。
田中シェフは製菓学校の講師としても活躍されているのですが、年々パティシエになりたい子が減ってきていることを危惧して2014年から「パティシエを夢見るひよこケーキデザインコンテスト」を毎年夏に開催されています。 こんなケーキがあったらいいな、こんなケーキをつくりたいなと言うような夢のケーキデザインを募集して優秀な作品には5,000円の商品券とトロフィーやコック帽が進呈されます。 何よりも子供のデザインしたケーキが1か月間お店で販売され大賞を合わせて8賞が選ばれるので子供たちは一生懸命に知恵をしぼって入賞を競い合うそうです。 最初は参加者が100人くらい集まり今では多い時は250名の子供たちが参加されています。
6月に入ったら応募用紙を配り始め8月いっぱいまで応募を受け付けるそうです。 子供の発想力には本当に驚かされ、すごくアイデアの勉強になるんだと田中シェフは嬉しそうに語っていました。 中には常連のメンバーが大賞を競い合い、パティシエを夢見る子供たちにとっては一年に一回のビッグイベントになっています。
カブトムシケーキと言えば洋菓子工房バースディと地元で定着していましたが、コロナが始まった2020年にカンテレのよ~いドンで取り上げられ「となりの人間国宝さん」に認定されました。このことで再びカブトムシがバズッたそうで「おはよう朝日」「ウラマヨ」などたくさんのメディアでも紹介されました。
高校生の時に初めて神戸でフーケのケーキを食べその美味しさに感動した瞬間から田中シェフのパティシエとしての人生が始まり、今はそのパティシエになりたいという子供たちを支援して一人でも多くの将来のパティシエを育てていく活動や取り組みを本気でされています。