今月は私が営業担当案件の納品が重なり、久しぶりに現場作業に立ち会う機会が何度かありました。
昨年、私の担当売上の大半がO社でした。ここはH社の指定倉庫に届ければ、あとは代理店が納品まで行なってくれるので、たいへん効率的であるのですが、ユーザーさんとの直接接点が少なく、営業活動としては臨場感が不足して、仕事として充実感があまり感じられないのでした。
何件かの納品がありましたが、特にA店は印象に残る現場でした。
最近では台数の多い3台口の入れ替えで、全台が別置で、うち2台は配管洗浄を伴う工事が必要でした。
しかもレイアウト変更は図面上ではあらかじめ決めてありますが、通路幅や什器どうしの間隔などは実際にショーケースを並べてみて、お客さんが検証しながらの微妙な調整が必要ですので、最終的なOKをいただくまでの作業はかなりの手間と時間がかかることが予想されました。
今回のチームはF君にK君、運送業者のMさんと私の4名です。
最初に私から作業の全容をお伝えし、概ねの段取りを確認します。まずは配管の切り離し、撤去の準備、順序や役割分担を確認し作業開始。18年前に作った石貼りの12尺はかなりの重量ですから、これを台車に乗せて移動するには4人全員の力が必要です。
このような時は声を掛け合って、それぞれの作業が途中でも一時手を止めて移動作業を先に行なわないと全体の流れがうまくいきません。まさに部分最適を捨てて全体最適を優先するのです。また一度決めた設置位置をお客さんから「もう5センチほど通路を広くしたい」などというような変更の依頼も入ったりします。
なかなか根気の入る作業ですが、使い勝手のいい売場は「商売繁盛」の大切な一要素です。
そんなちょっと想定外の出来事をもクリアしながら、朝9時過ぎからスタートした作業は19時過ぎに無事に終了し、お客さんからも「ありがとう。おつかれさまでした」の一言をいただくことができました。
振り返るとたいへんスムースに終えることができたと感じています。
私はせいぜいみなさんのお手伝いと掃除くらいしか役に立ちませんでしたが、他の3名が実にがんばってくれました。うまくいった要因を考えてみると、
・全員が本日の仕事の完成形に対し共通の理解をしていたこと
・前述のような全体最適に協力できたこと
・声掛けしお互いの進捗を把握していたこと
・お客様の希望を叶える意識をもっていたこと
・後からお客様や他の業者さんが見てもきちんとした仕事だと思ってもらうえるようなレベルを意識していたこと
などが挙げられると思います。
優秀な組織には以下の3要件が備わるといいます。
- お互いに自ら協力しようという意識を持つこと
- 共通の目的を正しく共有すること
- コミュニケーションが円滑であること
今回の場合、この3つがしっかり機能していたと思います。やはり基本が実践できているとスムースに成果に近づくこと(生産性を上げること)ができるのだと実感しました。
私たちは年間休日を増やし、総労働時間を短縮しながら、目標となる売上や生産量を獲得しなければなりません。日々、仕事と向き合う中で、生産性向上を目指して、もう一度一人一人の役割となすべきことを確認してみてはいかがでしょうか。