今年ほどラグビーに注目した年はないと思います。日本開催のワールドカップでの日本代表の大活躍は多くの人の心に響いたと思います。史上初の見事なベスト8進出でした。
ラグビーの代表チームは面白いですね。その国で3年以上居住していれば代表メンバーになれるというルールなので、サッカーや他のスポーツとは異なり、日本国籍を持たない選手も代表メンバーに選出されるわけです。日本人は当然として、日本に帰化した人やニュージーランドや韓国の選手が代表のユニフォームを着て、君が代を歌う姿には心を打たれます。彼らが日本の代表として戦おうとする決意が伝わってきます。生まれも育った文化も違う人たちが日本代表メンバーに選ばれることを誇りとして、ラグビーファン以外の日本人にも支持されるように、選手自らが中心となって日本という国や文化の理解を深めるために歴史や習慣を勉強しているといいます。単にラグビーの技量をあげるための厳しいトレーニングに留まらず、日本代表として日の丸を背負うこととはどういうことか、その思いの深さと責任感に頭が下がり、そこまでやるかという努力を重ねる彼らを応援する気持ちがますます強くなるのを感じます。
テレビや新聞の記事を通して、コーチや選手の話を見聞していくと、以下のような言葉が印象的です。(カッコ内は私たちの仕事に通じる私の見解です。参考まで)
・これだけ厳しい根性練習を行なえるのは日本特有。しかし体格に劣るものが勝利に近づくには気持ちで負けていては話にならない。(すべてにおける前提条件は気持ちが前を向いていること)
・変化や成長を実感し始めたときにおいて特に重要なのは、例えばスクラムを組む時の足の位置を1センチ単位で修正していくような細部に目を向けることが重要。(魂は細部に宿る)
・チームとしての規律を重んじ、それに従ってプレーすることは大原則だが、強豪国との対戦においては、どこかでリスクをとらなければ勝利にはつながらない。(壁を超えるにはチャレンジが必要)
・しかし日本人はリスクを冒すことに消極的。ミスを恐れることが最大のミスである。(チャレンジには勇気が必要)
・エディジョーンズHC(ヘッドコーチ)時代の手堅いラグビーからさらに上を目指すには、リスクを冒す勇気と高度な意思疎通が必要。(コミュニケーション能力と相互理解の力の重要性)
・それまでの厳しい練習やミーティングを重ねて、どれだけお互いの意志を共有できるかが大切である。(個々の行動と努力の上にチームの実力の向上が成立する)
・コーチに言われるまでもなく、選手同士で意見を交わし、指摘しあえるチームができているか。(強い現場の力の要素①)
・試合中にリーダーシップを発揮し、正しい判断をするのは、コーチではなく選手自身である。(強い現場の力の要素②)
・そのようなチーム状況ができていると、いざ試合で一人一人の的確な判断が引き出され、しかもその判断が次の効果的な判断につながっていく。(強い現場の力の要素③)
・厳しいトレーニングで基礎体力と意思疎通できるチームワークを培い、それに的確なゲームプランが示され、好結果につながる。それが各自の自信となり、チームとしての成長とつながる。(個々の力の相乗効果で組織力となる)
強くなったラグビー日本代表を応援しながら、私たちもそうなりたいなと感じました。みなさんはどうお感じになりましたか?