3月9日から12日までのモバックショーに出展しました。お菓子業界向けの展示会は1年半ぶりくらいになるでしょうか。
関西は緊急事態宣言が解除になったとはいえ、コロナの影響は色濃く残っていますので、果たしてどれだけの集客が見込めるかとても不安ではありました。結果としてはまずまずの集客とそれなりの引合をいただけたので、今後は大阪支店のスタッフの活躍に期待したいと思います。
またスマートフードカバーを利用したパン用ショーケースと冷蔵温蔵のショーケースはお菓子屋さんよりもパン屋さんなどの新たな顧客層の開拓を目指したものですから、いい評価をもらえることを期待したいと思いますが、まだまだ改善を重ねて完成度を高めていくことが重要ですので、この先もマーケットインの考え方で取組んでいきたいと思います。
コロナ禍における展示会ですので、大阪支店のスタッフの提案で、ユーザーのみなさんから「この環境下、私たち(お菓子屋さんたち)は何ができるのか」というテーマで1分ほどのビデオメッセージを送ってもらおうという企画を行ない、全国から50名近くのパティシエ・パティシエールさんから動画をいただきました。
展示会の直接的な目的は「見込み客の獲得」ですが、このような時期にお菓子屋さんの存在意義を改めて再確認できる企画を提供して、その仕事の価値や意味をお互いに共感できることも大切なことではないかという当社の考え方の表現でもあるわけです。
様々なメッセージをいただきましたが、みなさんが異口同音に話されていたのは「世の中コロナでたいへんなので、おいしいお菓子で笑顔になってもらおう」ということでした。
中には阪神淡路や東日本の震災時に手に入る材料でとにかくお菓子を作ってお店に並べたら「こういう時にこんなおいしいケーキを食べられるのは本当にうれしい。ありがとう。」とお客さんが涙を流してくれた出来事を交えながら、お菓子の持っているすばらしい力とそれを作って喜んでもらえる作り手のやりがいを伝えてくれたメッセージもありました。
昨年より、最近都内で話題のベーカリーからショーケースのご注文をいただいていますが、これらを運営する会社のオーナーがブースを訪ねてきてくれました。
こちらの会社のビジョンは「地球を大事にする。人を大事にする。みんなで分かち合う。」というもので目標は「世界平和」です。パン業界だけではなく食品業界に広く注目されている会社です。
パン屋さんの目標が「世界平和」。一見、突拍子もないように感じますが、オーナーの信念は明快です。「おいしいパンやお菓子で人々が心を癒され気持ちが豊かになれば自然と平和になっていく」。すごい志だと思います。オーナーがおっしゃるようにおいしいお菓子やパンはそういう力があると思います。そしてお菓子屋さんが異口同音にメッセージに込められた思いも全く同じです。
私たちはお菓子やパンを作ることはできませんが、世界平和を目指す人たちを力強くサポートすることができます。おいしいお菓子やパンを、よりおいしさを感じてもらえるように価値を付加し、作り立てのおいしさをキープする機能で、安心と楽しさとともに提供できるようなお店づくりに参加しているのです。おいしさと笑顔と平和を、日本全国の各地から、アジアの一部も含めて、発信する力を担っているのです。
この点は改めてわが社の社会貢献機能であると自信をもって認識すべきだと思います。今日向き合うのは、いつものように繊細な仕事の積み重ねですが、そこからこの社会に広がっていく笑顔と平和を感じ取っていきたいと思います。あなたはどう感じますか?