MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

名もなき仕事

皿洗い

 私は小田急線の沿線に住んでいますので、出張などで出かける時は当たり前のように小田急線のお世話になっています。この沿線の町田市にある和光大学が車内広告を定期的に出しています。和光大学の教授や准教授が学生以外の人でも楽しめるような内容を短時間で読めるように「和光3分大学」というタイトルで記事を書いているようです。先日、なかなか興味深い内容のものを発見したので、みなさんにも読んでもらおうと思います。経済学部の永石尚子教授が「名もなき仕事」というタイトルでお書きになられています。

名もなき仕事はAIにはできない仕事でした」
~「名もなき仕事」が再注目されている?~

「名もなき家事」をご存じですか? それは、ゴミ袋をセットする、調味料を補充するなど、家事の裏側にある細々としたタスクのことをいいます。同様に職場にも「名もなき仕事」が存在します。

コピー用紙を補充する、ゴミを拾う、休んだ人のサポートをするなど、小さくてもそれをしないと回らない大切な仕事は職場にも多くあります。そんな「名もなき仕事」のように、誰にも割り当てられない仕事を自ら進んで行うことを「組織市民行動」と言い、かつて日本の職場には当たり前のように根付いていました。

しかし、ジョブ型雇用やリモートワークの普及などで、このような仕事が放置されてしまう傾向にあり、近年、その重要性が再注目されています。組織市民行動と組織全体の業績には相関関係があることもわかっています。

いつも誰かが「名もなき仕事」をしてくれるからこそ、職場環境が快適になり、組織や事業全体がうまく回り、ビジネスの価値創出につながっていくのです。

決められていない定型外の仕事を柔軟に行なうことは、AIやデジタルには代替できない、人間ならではのホスピタリティの高い仕事だと思います。


以上が3分間で読める全文です。

いかがでしょうか?

かつて日本の企業においては「組織市民行動」は担当者を決めるまでもなく、気づいた人が当たり前のように行なうことが根付いていたと述べられています。それがよき環境と働きやすさを作り出し、組織の効率化を高め、付加価値を創出していたというのです。しかし現在においては円滑に「組織市民行動」が行われなくなったのが社会全体の課題のようです。「私の仕事じゃない」「誰かがやるだろう」という気持ちや考えが強くなっているように感じます。

 私たちは「名もなき家事」を毎日当たり前のようにこなしてきたお母さんにやさしく育てられたせいか、あるいは割り振られた担当業務のみを「仕事」ととらえて、それ以外はやらなくてもいいものと勝手に決め込んでいるせいか、「誰にも割り当てられない仕事」に関して無頓着になっているように感じます。

 永石教授が言うように、「組織市民行動と組織全体の業績には相関関係がある」のです。理念体系の「行動指針」の中にある「気くばり・目くばり・心くばり」はまさに「組織市民行動」であるといえると思います。これを活性化して、当たり前の行動に結びつけていくことに注目していく必要があると思います。お互いが思いやりを発揮して、働きやすい環境を作り出すことは、組織の目的である「われわれの豊かな生活を実現する」という成果を作り上げることになるのです。

 そこをもう一度見直してみませんか?

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