MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

準備8割 仕上が2割

今年から始めた毎朝のグループ朝礼のレベルがだんだん上がってきた印象を受けています。とてもうれしく思います。

 今月は「斧を研ぐ」というテーマがありました。仕事の質を上げるには、仕事そのものには一見関係が無いように思える間接の努力が、未来の自分の能力に磨きをかけることを意味します。「教養」という言葉に置き換えられるかも知れません。人間性を高めることで、仕事の成果も大きくなっていくのですから、それを身につけるための何かしらの勉強や習慣を実践していくことが必要になってくるのですね。すぐに思いつくのは読書や普段からの情報収集などではないかと思います。まずは「理念と経営」をしっかり読み込んでみてください。設問にとり上げている以外の記事にも多くの学びがありますよ。

 今回の回答に「準備の重要性」を挙げるかたが多くいました。厳密にいえば準備は仕事の質を上げるためには欠かせない要素ですから、今回のテーマである「斧を研ぐ」より直接的に仕事にかかわる部分かもしれません。しかし改めて「準備」に注目したことは、とても重要なことだと思いますので、H君の回答を例に挙げて、少し深堀してみようと思います。

 H君によれば、間接の努力は結果がでるまでのプロセスと定義し、その第一段階は意思決定をすることです。例えば「この仕事の終了時間を決める」というように、自分で前向きに肯定的に決めます。そしてそれを実行するための準備を行ないます。指示された仕様のための必要な部材を揃えることで仕事が円滑に進みます。しかしそれにはその前段階の準備が更に必要です。それは周辺情報を収集して指示された仕様を正しく理解すること。そしてその時に気づいた重要なことをしっかりメモしておくことだそうです。

 PDCAという言葉をご存じだと思います。マネジメントサイクルといい、仕事を進め方の基本形です。P(plan)は計画をしっかり立てること、D(do)はそれをもとに実行する、C(check)は振り返り反省する、A(action)は反省を踏まえてより効率的なやり方に改善すること。これを繰り返していくことで仕事は進化していくという基本理論です。

 前述のH君の一連の意見は「P」の重要性を認識したものです。正しい情報を収集し、備忘のためのメモを取り、部材を集めるという準備の大切さを述べています。

 成果の上がる仕事は、準備8割・仕上が2割と言われます。H君がマネジメントサイクルを詳しく勉強していたかどうかは定かではありませんが、日々の仕事の経験からこのような基本をしっかりとらえた思考が導き出されたことは立派なことだと思います。

 担当する仕事にいきなり手をつけて痛い目にあった記憶はありませんか?途中で間違いや勘違いに気づいて最初からやり直ししたとか。自分で気づけばまだいいほうで、気づかぬまま工程が進み、あとから大問題になって他の人にも大迷惑!なんて経験は誰でもあるのではないでしょうか。

 多くの場合の仕事とは、間違いがなくて当然であり、間違いや欠陥があればお客様や次工程からのクレームが発生するのは当然です。お金をもらっている以上は端くれとはいえ「プロ」ですから、仕事のクオリティは求められて当然です。しかし間違いや勘違いせずに製品を作り上げることがどれだけむずかしいことか。これもまた現実、真実だと言えるでしょう。人間のやることに完璧はありません。しかしそれを理由にしたら、すべて言い訳になります。

 当たり前を当たり前に行なうむずかしさ。もう一度準備と確認について考えてみましょう。

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