MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

イノベーション

すずらん

今回は理念と経営誌4月号でみなさんにも設問を投げかけたイノベーション経営について、もう少し深堀していきたいと思います。改めて4月号のP18~P29を読み返してみましょう。

 働き方改革は、当たり前になっている長時間労働から脱しようと始まりました。まずその第一段階は無駄を無くすという「負の解消」から始まります。当社に当てはめてみれば「ミスによるロス」を無くそうということになると思います。高価な部材の破損や図面等の間違いによる再製作や再発注はわかりやすいですよね。初品クレームによる手直し作業のための出張。これも自覚症状がありますね。ほかに例を挙げればきりがありません。特注品受注生産で生計を立てているわが社において、この無駄が無くすことができたなら、ものすごい効果があるのではないかと思います。営業は新たなITツールの導入を図り、その相乗効果で客単価・客数アップして売上と粗利の確保を目指します。工場では10MTを中心に品質と生産の向上のための準備に力を入れ、改善提案制度を拡充して底上げを図ります。TSは製造や営業との連携を深めて、業務量の偏りを解消しながら、お客様サービスの対応力を拡充します。粘り強く会社としての実力向上を継続的に図っていきます。フェーズ1はわが社にとって大きく永遠のテーマと言っても過言ではないと思います。

 フェーズ2は「成果の出し方改革」なのですが、これはなかなかむずかしい。しかしむずかしく考えるからむずかしいともいえるのかと思います。先日からA社さんの件で代理店のK社さんからクレームをいただいています。そもそもの原因は「製品不具合」にありますので、悔しいですがこちらからの説明は言い訳にしかなりません。そのやりとりの中で気づいたことがありました。しばらく前にA社さんのひとつの店舗向けの陳列台に関してです。W3200mm、上部の引出式陳列部のガラスは分割無しの1枚もの、しかも前面御影石仕様でかなりの重量になる仕様です。仕様変更の要望は「設計士の許可が出ず」という理由で却下されて「こんなもんできるか!」的な雰囲気を思い出す人もあるでしょう。しかし本設計に入る前に、各部署の代表が集まり知恵を出し合い、最終的に先方の希望を叶える製品ができたではありませんか。振り返ってみると、これはドロワー式のショーケースを何台も作ってきたノウハウと様々な販売什器を手掛けてきた経験、そしてお菓子売場という特徴を理解した専門性が組み合わさったことで、ほぼノークレームという結果を作れたことだと思います。P20の上段にあるように「イノベーションの定義は新しい組み合わせによって新しい社会的価値を生む」ことだと書かれています。わずか1台の販売什器ですが、見方を変えればイノベーションの第一歩だと解釈することもできるのではないでしょうか。

しばらく前にA社さんのひとつの店舗向けの陳列台に関してです。W3200mm、上部の引出式陳列部のガラスは分割無しの1枚もの、しかも前面御影石仕様でかなりの重量になる仕様です。仕様変更の要望は「設計士の許可が出ず」という理由で却下されて「こんなもんできるか!」的な雰囲気を思い出す人もあるでしょう。しかし本設計に入る前に、各部署の代表が集まり知恵を出し合い、最終的に先方の希望を叶える製品ができたではありませんか。振り返ってみると、これはドロワー式のショーケースを何台も作ってきたノウハウと様々な販売什器を手掛けてきた経験、そしてお菓子売場という特徴を理解した専門性が組み合わさったことで、ほぼノークレームという結果を作れたことだと思います。P20の上段にあるように「イノベーションの定義は新しい組み合わせによって新しい社会的価値を生む」ことだと書かれています。わずか1台の販売什器ですが、見方を変えればイノベーションの第一歩だと解釈することもできるのではないでしょうか。

 代理店K社のご担当者さんにこのことを話題にすると「あんなむずかしいのが作れるんだから、普通のケースくらいいつもちゃんと作ってくださいよ」とのことでした。私たちはフェーズ2につながる力を持ちながら、何度となくフェーズ1でつまずいていることか。そう感じずにはいられません。

 上記の陳列台の製作は特別なことだったのでしょうか。本来持っている力を継続的に発揮しきれないのはなぜでしょうか。そのむずかしい陳列台の製作のプロセスを「ふつう」の状態に進化させることです。そのためには持っている実力を当たり前のように毎日発揮できるように訓練することです。この基礎訓練が改善提案、5S活動、グループ朝礼です。

 イノベーションは発明ではありません。私たちが持っている実力を余すことなく常時発揮するための私たち自身の変化なのです。

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