私たちの脳は主に脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質の3つの部位に分かれます。
脳幹は意志とは関係なく心臓を鼓動させるように、寝ていても呼吸が続いているように、生き物が生命を維持する基本的な働きです。危険を察知したらそれを避け、お腹が空いたら食べるというように生命維持機能を司る爬虫類脳と言われます。
大脳辺縁系は哺乳類脳と言われ、喜びや愛情、怒り、恐怖そして仲間意識など情動に関わる脳です。
大脳新皮質は物事を理論的に考えたり、善悪を判断したり、自己成長をうれしいと感じることができるという人間脳です。
「たいへんだけど、自分を高めるためにがんばろう」と努力できることはまさに人が人たる証といえます。
でも私たちは「やらなきゃいけないのはわかっているけど、めんどくさいからあとでいいや」という経験を誰もが持っていますが、これはまさに爬虫類脳が人間脳に勝っている状態といえます。
多くの生き物は無理をしないほうが生命を長く維持できますから、爬虫類脳のパワーは強くて当たり前なのです。
人間も生き物である以上、爬虫類脳が強くて当り前。強くなければすぐ死んでしまうのですからしかたありません。
その力の強さは20:1と言われています。爬虫類脳の力は絶大です。
いわゆる「空気の読めない人」や自分勝手でわがままな人は大脳新皮質がほとんど機能していないのでしょう。
そういう人たちはわかりやすく一言でいうと「バカ」です。
脳科学者の中野信子先生曰く、バカは伝染る(うつる)そうです。集団の中にバカがいると全体がバカ化する可能性が高いそうです。
わが社はだいじょうぶかな?
私たちは日々仕事をしているわけですが、自分の仕事の合格点をどのレベルに設定するかはとても重要なことだと思います。
高いレベルに設定できる人は、それに挑戦して実力を上げ、成長していく自分に喜びを見出すことができます。
レベル設定が低い人はどうでしょうか。
「こんなもんで十分」と元々意識が低かったり、たいしたことないのに自分はレベルが高いと勘違いしている人です。
前者は爬虫類脳に支配されている状態であり、後者においては不勉強がもたらした世間知らずの勘違い状態、「井の中の蛙」とも言えます。
このような人を見ると滑稽で哀れでとても気の毒だなあと感じてしまいます。
レベル設定の高低の差はどこから来るのか。これはその人の仕事というものをどうとらえているかという「仕事観」に基づくものでしょう。
さらにその仕事観は「人生観」「人間観」や「社会観」といった価値観が基になっているのです。
この社会・世界はどうなっているのか、人間はどういう生き物なのか、自分の人生・人の人生はどういうものなのか。
そういうものをしっかり持ち合わせていないと仕事とはどういうものなのか、どうあるべきなのか、今向き合っている仕事の合格点はどのレベルにあるべきなのか判断できないのかもしれません。
実はこの「合格点のレベル」については、わが社の社員さんが私に話してくれたことなのです。
合格点を低く設定している状態では仕事はつまらない、みんなで高みをめざしていかなければ面白くない、正しい「仕事観」を身につけないと人生もったいない、と語ってくれました。
わが社にもなかなかすごいやつがいるぞと、なんか希望の光を感じました。
ぜひこの考え方がどんどん伝染っていったらすごいことになるぞとうれしくなった最近の出来事でした。