現在の理念を定めてから25年が経過しました。それまで明文化した理念などはなく、当時専務だった私が社長(現会長)と意見交換しながら、文章化したのが25年前でした。
さすがに実態とそぐわなくなってきたのでは、という意見もいただいたこともあり、ここで見直しをしようと動き始めました。
工場を中心に各部署から「理念委員」を指名させてもらい、そのメンバーでまずは原案づくりを進めています。近いうちにこれをまとめて、みなさんに意見をいただこうかと考えています。
現在掲げてある理念「高品質のショーケースを信頼と商売繁盛とともにお届けする」という文言は変えませんが、「高品質とは」などの詳細の記載については若干の修正をして時代に沿う形に仕上げたいと思います。
今回私が強調して皆さんにお伝えしたいことは、理念を目指す目的とは、お客様の商売繁盛を支援することで「私たちの仕事は社会の役に立っているぞ!」という実感・手応え・やりがいを感じることと私たちの待遇や福利厚生を充実させ、よりよい生活・人生にしていこうということです。
お客様と同時に自分たちにも光を当てて、仕事の目的を「自分事」につなげられるようにしていきたいと思います。
理念の実現、即ち事業の目的達成に近づくためには、「仕事の技術」の向上は必要条件ですが、「気くばり・目くばり・心くばり」に表されるように、協力して助け合って相乗効果を生み出そうという健全な価値観=「人間力」があって初めて技術は生きてくる、という考え方を明確にしたいと思います。
これは「理念と経営」誌で学んだように、野村監督の記事にも繰り返し述べられており、先月の通信でも黒田監督や原監督も同じことを大切にされています。また先日、ソニーの代表を務め、現在はシニアアドバイザーである平井一夫さんの話を聴かせていただきましたが、人を動機づけることのできるリーダーシップの第一条件は「正しい人間になる」とおっしゃられていました。人の話をしっかり聴くこと、気分にムラが無いこと、物事を公正に評価判断できること、自分が間違っていたら素直に認めて修正ができること、相談事には具体的なアドバイスを返してくれること、などをその要件として説明をされました。まさに基本は野村氏・黒田氏・原氏と全く共通しており、スポーツも事業も基本は同じであることを再確認できました。
レベルは違うかもしれませんが、私たちもその基本はしっかり再確認して、認識と行動を新たにしていかなければならないとても重要なことだと感じています。
ショーケースという製品を軸に売場活性化を目指していくこと、そのために私たちは正しい人間力を身につけることは、おそらく将来に渡り普遍的で不変なことだと思います。
これを考え方の基本とし、私たちの仕事に対する行動は具体的にどうあるべきかを、少々細かい点に渡って「指針」「方針」として示していきます。明るく挨拶しよう、5Sをしっかりやろう、準備が8割、コミュニケーション能力を上げよう、資源を大切にしよう、など当たり前の要素の連続です。でも当たり前のことを当たり前に実行することがどれだけ難しいことかを私たちは事あるたびに痛感しています。それを当たり前にするために、私たちの意識を高めていこうという趣旨です。
私たちは凡人の集団ではありますが、信頼を備えて商売繁盛につながる高品質のショーケースは間違いなく非凡なものになるはずです。もう一度、この点を確認していきたいと思います。