MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

日本の文化は感謝の心がベース

イギリスのエリザベス女王がお亡くなりになりました。96歳だったそうです。在位なんと70年間。英国の近現代史とともに歩まれたことになります。テレビや新聞、ネットを含め「エリザベス女王死去」として報道されました。ちょっと違和感を覚えませんか。これだけ歴史に名を遺した人で世界中の多くの人々から尊敬されていた存在であったでしょう。それなのに口語体で表現すれば「エリザベス女王死にました」という感じでしょうか。やはり「お亡くなりになりました」という表現が適切ではないかなと感じます。「ご逝去」とか「崩御」という言葉が使われるべきではないかと思います。報道には表現のルールがあるのかと想像しますが、聞き手が素直に共感できる表現をルールとしてほしいと感じます。

エリザベス女王は就任前に「私は私の全人生をかけてあなたがたに、そして私たち全員が属している偉大な大英帝国の家族に仕えることを宣言いたします」と述べたそうです。わずか20歳で、いずれ女王になる運命を受け入れ、自らの立場と役割を理解し、使命を全うする決意を表明できる人間としての強さと人柄が国民の尊敬を集めたのだと感じます。英国皇室は何かとスキャンダルがあったようですが、それを乗り越えられてきたのも、このトップの信頼が国民を納得に導く力となったのだと思います。

英国や日本は「立憲君主制」という国の形態をとり、かつてはそこに権力が集中した時代もあったようですが、現代では主権は国民に移り、意思決定は議会が行なっていますので、女王や天皇の仕事は国の象徴、われわれ国民の代表として諸外国との友好促進や国家国民の安寧を願うことが大きな仕事になっています。

英国女王も立派ですが、日本の天皇も負けずに国民から尊敬され、国をまとめる存在であり続けています。日本がポツダム宣言を受け入れ、敗戦となりました。昭和天皇は連合軍最高司令官であるマッカーサーを訪ねた時、マッカーサーは昭和天皇が命乞いに来たと思ったそうです。しかしながら昭和天皇の言葉は「私の処分はどのようなものでも受け入れるので、どうか国民に復興の機会を与えてほしい」というものでした。その言葉でマッカーサーの占領政策が大きく変わったといいます。

その後、世界が驚く経済成長を遂げ、戦後やがて80年になりますが、東日本大震災など大きな自然災害に見舞われることはあれ、他国と戦火を交えることのない平和な日本が私たちにとって当たり前のようになっています。様々な問題や事件は起きていますが、日本の社会の中で毎日平和に仕事ができることは実はとても幸せなことだと思います。

天皇陛下は国民の安寧を祈る神事に毎日のように取り組まれています。日本社会が平和であるのは、この天皇陛下の願いがあってこそなのかもしれません。

そして天皇の祖先とされるのは天照大神です。伊勢神宮の内宮に祀られています。私たちがお正月に初詣に行く神社は、この内宮の支店みたいなもので、わが社やみなさんの家にもある神棚はそのさらに主張所であり、われわれ日本人のご先祖様である天照大神が祀られているのです。

初詣も神棚にお参りするのもお墓参りも広い意味では宗教なのかもしれませんが、今の安寧な生活が送れるのもご先祖様のおかげであり、それに感謝の気持ちを伝えるというものであることを正しく理解しておきたいと思います。

そろそろ各地で行なわれる秋祭りも豊穣への感謝をご先祖にするものです。まさに日本の文化は感謝の心に支えられているのです。

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