MESSAGEは弊社代表の太田和隆が社員に向けたメッセージを社外向けに加筆してみなさまに読んでいただくコラムです。
ダイヤ冷ケースの仕事に対する考え方を感じてもらえれば幸いです。

日本国民として天皇陛下と皇室について考える

 私は今年も元旦は恒例の皇居ジョグからスタートしました。半蔵門から皇居越えに見る初日の出は日本の新しい年が始まるぞ!という感じでちょっと感動的な風景でした。

 皇居は天皇陛下がお住まいになっているわけですが、昨年あたりは世間に皇族の話題に事欠かなかったようです。若い女性皇族が米国弁護士受験中の男性と結婚するしないと世間の注目を集めましたが、そのようなワイドショー的な視点ではなく、日本における皇室や天皇の存在意義や未来について考えてみたいと思います。

 初代天皇は神武天皇と言われていますが、古事記や日本書紀の中ではまだ神話のような感じのようです。しかし現在の天皇陛下の父親をずーっとたどっていくと、この神武天皇にたどり着きます。これを男系の万世一系と呼び、世界にも他に類を見ない長い血統がつながれてきた王朝と言えます。

 平清盛も信長も家康も強大な権力を手にしましたが、自らが天皇に代わろうとは誰もしないどころか、誰もが天皇を敬い、天皇の命令の元に政治をつかさどる役割を担いました。明治維新では徳川家と薩長のどちらが天皇から勅命を受けるかを争い、徳川慶喜は絶対に朝敵にはなるわけにいかないと大政奉還に至った経緯があります。天皇とは歴史において、そのような重要かつ絶対的な存在であり、歴史上のどのような権力者であろうと天皇の座を武力で奪うようなことはありませんでした。

 他国の歴史を見ると、ひとつの王朝(国)が武力で滅ぼされると、新たな王朝が旧王朝を抹殺してきた歴史が見受けられます。中国4000年の歴史と言われますが、中国大陸の歴史は長いものがあるでしょうが、それは異なる王朝が入れ替わってきた積み重ねですから、血筋もそのたびごとに変わっています。それと比較しても、日本の天皇家がひとつの血筋が2000年以上にわたって受け継がれていることの世界に誇れるすごさ、貴重さを改めて勉強すべきだと思います。

 この延々と守り続けられてきた「万世一系」はその時代時代の日本国民の心の支えになっていたことでしょう。しかし第二次大戦後に育ってきた私たちが、その意識を持っているかどうかを問われたらどうでしょうか?

 そして今、皇族の人数がどんどん減少しています。女性は結婚すると皇籍を離脱するのが習わしなので、今回の眞子様も一般人となり、いずれ愛子様も佳子様もそうなっていくと思われます。そこで天皇は女性でもいいのではないかと「女性天皇」「女系天皇」という言葉が現れてきています。これらは似ている感じですが、全く異なるものなのです。この違いを説明するのにはサザエさん家系図を例にするとわかりやすいようです。

 波平さんが天皇、フネさんが皇后です。波平天皇が崩御したら、通常はカツオ君が新天皇になります。しかし何かの理由でサザエさんが天皇に即位する場合もあります。こういう女性天皇の事例は過去に10回ほどあります。そしてサザエ天皇が崩御したら次の天皇は誰か。カツオが継げば磯野王朝は継続しますが、サザエさんの息子のタラちゃんが継ぐと「女系天皇」となり、磯野王朝からフグ田王朝となり、日本の天皇家の男系万世一系は途切れることになります。

 天皇陛下の仕事はたくさんの国事行為のほかに「国家の安寧と国民の幸福を願う」という仕事があります。エアコンすら無い宮中で極寒の早朝、酷暑の午後にかかわらず、古式装束で神事に取り組んでくれているのです。

 この先、皇室の未来について議論されることになるでしょう。その時に安易に「多様性の時代だから」と何でも容認するのではなく、日本の歴史とともに「万世一系」がどういうもので、どれだけ貴重なものなのか。「女系天皇」とはどういうもので、歴史を受け継いでいくうえで正しいものなのかどうか。これらをしっかり理解して、どうあるべきかという自分の意見を国民の一人として、持つべきではないかと思います。

 お正月は正しい考えと行動を行なう月ですので、日本の象徴について考えてみました。

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